今さら聞けない中型自動車免許の取得条件や方法などを解説
ページ内にプロモーションが含まれている場合があります。中型自動車免許とは、平成19年6月に新しくできた運転免許で、一般的に「4tトラック」と呼ばれている自動車を運転することができる免許のことです。
運送業界での仕事を考えている方やマイクロバス等の運転に従事する方にとっては、中型自動車免許があるととても就職に有利になるのでおすすめです。
今回は中型自動車免許の条件や取得方法などをわかりやすく解説していきます。
もくじ
中型自動車免許で運転できる車
まずは中型自動車免許で運転できる車をご紹介しましょう。
下の画像にある「中型車」を中型自動車免許で運転することができます。
出典:北海道警察ホームページの画像を加工して作成
大型、中型、準中型、普通自動車の車両総重量、最大積載量、乗車定員は以下の通りです。
大型自動車 | 中型自動車 | 準中型自動車 | 普通車自動車 | |
---|---|---|---|---|
車両総重量 | 11トン以上 | 7.5トン以上11トン未満 | 3.5トン以上7.5トン未満 | 3.5トン未満 |
最大積載量 | 6.5トン以上 | 4.5トン以上6.5トン未満 | 2トン以上4.5トン未満 | 2トン未満 |
乗車定員 | 30人以上 | 11人以上29人以下 | 10人以下 | 10人以下 |
ちなみにマイクロバス(小型バス)は以下のようになっています。
車両総重量 | 8t未満 |
---|---|
最大積載量 | 5t未満 |
乗車定員 | 11人から29人 |
マイクロバスは中型自動車の区分に該当するので、マイクロバスを運転したい場合は中型自動車免許が必要になります。
当然ではありますが、中型自動車免許の所持者が大型自動車(上記の中型自動車部分に示した車両総重量、最大積載量、乗車定員を一つでも超える自動車)を運転すると無免許運転となり重い罰則がありますので十分注意してください。
中型自動車と大型自動車の区別が車の外観からわからない場合は、車の中に搭載している車検証の数字を見て判断しましょう。
中型自動車免許の試験の内容
中型自動車免許の試験を受けるには、普通自動車免許を取得して2年以上経過という条件があります。筆記試験は免除されますので、行われる試験は技能試験のみです。(試験合格後の適性検査はあります。)
試験の合格ラインは中型自動車仮免許の技能試験(場内の試験)で60%以上(100点満点中60点以上)。中型自動車の卒業検定技能試験(路上の試験)で70%以上(100点満点中70点以上)。ミスをするとその都度減点されていく減点方式です。
例えば以下のような減点項目があります。
- 合図不履行…-5点
- 安全不確認…-10点
- 側方間隔不保持…-20点
- 信号無視…一発中止
上記の原点となる例はほんの一部で、他にもたくさん減点項目があります。中型自動車の試験を受けるまでにどんな減点項目があるのか知っておくことが合格への第一歩となります。
実際の試験では、担当する試験官が助手席に乗り試験のコースを案内してくれますので、試験のコースを覚えていなくても受験することは可能です。しかし、コースを覚えておかないと合図をつけたり車線変更をするタイミングなどがわからなくなりミスを誘発してしまいます。
試験のコースを覚えておくと確実に合格率がアップしますので試験開始までに頑張って覚えておきましょう。
8t限定中型自動車免許とは
8t限定中型自動車免許とは、平成19年6月1日より前に取得した普通車の免許についている条件のことで車両総重量8tまでの自動車を運転できる免許のことを言います。
ちなみに8t限定中型自動車免許で運転できる自動車の車両総重量、最大積載量、乗車定員は以下の通りです。
車両総重量 | 8トン未満 |
---|---|
最大積載量 | 5トン未満 |
乗車定員 | 10人以下 |
道路交通法の改正が行われる以前は、中型自動車の知識が少ない者が運転し、事故が多く発生していました。平成19年6月1日以降の普通自動車免許では、中型自動車は運転できませんので注意しましょう。
中型自動車免許の受験資格
中型自動車免許の受験資格は以下の通りです。
- 普通免許………2年以上
- 準中型免許……2年以上
- 大型特殊免許…2年以上
上記3つの免許のいずれかを取得して2年以上経過すれば、受験資格の一つである免許取得期間をクリアしたことになります。ただ、違反を繰り返して免許停止の期間があったり、年齢や視力などの条件を満たしていない場合は受験資格はありませんので注意しましょう。
必要な免許
中型自動車免許を受験するために必要な免許は普通自動車免許、準中型自動車免許、大型特殊自動車免許のいずれかが必要になります。
いずれの免許も取得後2年以上(免停期間などを除く)経過していることが条件です。
年齢
中型自動車免許を受けるためには年齢が20歳以上(自衛官など特別な場合を除く)であるということも必要になります。
普通車の免許が18歳以上でしか取得できず、中型免許の取得に必要な「普通車などの免許取得後2年」を考えれば自然と20歳以上になっているはずですので、年齢の条件はあまり気にする必要はありません。
視力
中型自動車免許を取得するために必要な視力は以下の通りです。
視力検査は眼鏡やコンタクトレンズなど視力矯正した状態でOKです。ただし両眼、右目、左目の視力が規定の数値を一つでも下回ると受験できませんので注意しましょう。
視力 | |
---|---|
両眼 | 0.8以上 |
右目 | 0.5以上 |
左目 | 0.5以上 |
色彩識別
色彩識別試験については原付免許や普通免許など一番最初に取得した免許の時に行われます。その後特別な理由がない限り免許取得時に再度色彩識別検査が行われることはありません。
ちなみに色彩識別試験とは赤色、青色、黄色の違いが判別出来るかという試験になります。
聴力
中型自動車免許の聴力検査には2つの条件があります。(補聴器使用不可)
- 日常生活レベルの普通の会話が聞き取れる
- 10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞き取れる
というものです。
ここで重要なのは中型試験では補聴器が使用できないということです。
普通車の免許では補聴器は使用できるのですが、中型免許では補聴器は使用不可になっていますので注意してください。
運動能力
中型試験の運動能力についての検査基準は体に障害が無いことです。
普通車の場合は障がい者の方であっても、様々な補助器具を使用し運転することが可能ですが、中型自動車では障害がある方は取得することが難しい免許となっています。
中型自動車免許の取得方法①指定教習所を卒業し試験を受ける
中型自動車免許の取得方法としてまず挙げられるのは、指定教習所を卒業してから試験場で試験(適性検査)を受けるというものです。指定教習所を卒業していれば試験場での難しい技能試験が免除されます。(視力検査等の適性検査はあります。)
ここでは指定教習所を卒業して中型自動車免許を取得する方法や費用、期間そしてメリット、デメリットについてご紹介します。
指定教習所を卒業して中型自動車免許を取得する方法
指定自動車教習所で中型自動車免許を取る方法として、まずは現在所有している免許や入校申込書など必要書類を用意し教習所に入校するところから始まります。
指定自動車教習所によっては入校日が限定されているところもありますので、事前に電話などで問い合わせておいたほうがいいでしょう。
基本的な流れとしては以下のようになります。
↓
【1段階の教習】
↓
【修了検定(仮免の技能試験)】
↓
【2段階の教習】
↓
【卒業検定(路上の技能試験)】
↓
【卒業】
↓
【試験場にて適性検査等の後、中型免許取得】
費用
指定自動車教習所によって変わってきますが。だいたい18万円~25万円前後が相場となっています。ただし繁忙期(2月、3月、7月、8月)は料金が上がることがありますので可能であれば学生が少ない閑散期に入校することをおすすめします。
期間
一般的には2週間から4週間前後の期間が必要になってきます。ただし、中型自動車免許を取得するまでの期間は今持っている免許によって変わってきます。
中型免許を取得するまでの必要時限数は以下の通りです。
取得している免許 | 技能教習 | 学科教習 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
第1段階 | 第2段階 | 合 計 | ||||
中型自動車 | 普通免許(mt) | 7時限 | 8時限 | 15時限 | 1時限 | |
普通免許(at) | 11時限 | 8時限 | 19時限 | |||
準中型免許 | 5時限 | 4時限 | 9時限 | 無し | ||
大特免許 | 13時限 | 18時限 | 31時限 | 4時限 |
一般的には普通車(MT)免許から中型自動車免許を取られる方が多いと思いますので、それを例に挙げてご紹介します。普通車(MT)から中型自動車免許を取得する場合は1段階、2段階の技能教習及び学科教習を合わせて16時限が必要です。
さらに入校日や終了検定(仮免の技能試験)、卒業検定(路上の技能試験)の日数を考えると、期間は早くて2週間程度になるでしょう。もちろん仕事などで毎日教習所に来ることができない、繁忙期で予約が取れないといったようば場合は3~4週間かかる場合もあります。
メリット
指定教習所を卒業して試験場で試験を受ける方法のメリットについて以下にまとめました。
- 安全運転のプロから事故防止のポイントやコツを学べる。
- 教習所の場内に設置してあるS字コースやクランクコースなどで、中型自動車の車両特性を身につけられる。
- 路上教習を受けることで、死角にいる歩行者や巻き込み事故など路上特有の危険について知ることができる。
- 自分の運転について教官がフィードバックしてくれるので、苦手なポイントを克服しやすい。
- 免許を取得してからの使用頻度が高いバック駐車の練習が場内でたくさんできる。
- 試験場で技能試験が免除される。
- 取得時講習を受けなくてもよい。(教習に組み込まれている)
指定教習所を卒業する最大のメリットは、やはり試験場で技能試験が免除されるというところです。さらに中型免許取得後の事故防止について様々なアドバイスを受けることができる点も大きなポイントです。
デメリット
指定教習所で中型免許の教習を受けることのデメリットは以下の2つです。
- 費用が高い(18万円~25万円が一般的な相場)
- 期間が長い
指定教習所を卒業後、試験場で試験(適性検査)を受けるという方法についてメリットとデメリットを比較して自分に合った選択をしていきましょう。
中型自動車免許の取得方法②一発試験
中型自動車免許の取得方法として「一発試験」と呼ばれるものもあります。指定自動車教習所を卒業せずにいきなり試験場で技能試験を受けるというもので腕に自信がある方はこちらの方法もあります。
一発試験で中型自動車免許を取得する方法
試験場で一発試験を受けるには、現住所がある都道府県内の試験場に行く必要があります。中型免許試験の実施日や必要な書類については試験場のホームページなどで確認しておくことをおすすめします。
費用
試験場での一発試験の費用は一回当たり8,650円です。
受験料 4,100円
試験車使用料 2,500円
免許交付手数料 2,050円
合計 8,650円
1回目の受験で不合格になると2回目も同じように費用が掛かってしまいます。さらに合格した際には、取得時講習(危険予測や貨物の安全知識など合計約4時間)の費用も掛かってきます。
取得時講習 22,000円
期間
一発試験の期間は合格するまでなので、早ければ1日で終わりますが、合格すると取得時講習(危険予測や貨物の安全知識など合計約4時間)を受ける必要があるので、結局最短でも2日~7日ほどかかります。
さらに繁忙期であれば教習所で行われる取得時講習の予約が取りづらく、2~3週間ほど待たされることもありますので注意しましょう。
メリット
一発試験のメリットは費用が安くすむ点と、中型免許取得までの期間が短い点です。
この部分は一発試験の最大のメリットですが、合格するまでの受験回数が多いとかえって費用が高くなり、期間も長くなってしまう可能性があります。
デメリット
一発試験のデメリットは大きく分けて以下の6点が挙げられます。
- 試験のみ行われるので、安全運転のポイントやコツなどに対するフィードバックが少ない。
- 苦手なところを重点的に練習するといった柔軟性がない。
- 現住所から試験場まで遠い場合、受験のたびに試験場まで行くのが大変。
- 不合格が重なってくると費用も期間も長くなる。
- 慣れていない車両で試験を受けなければいけない。(教習所の場合は普段教習で乗車している車両で試験を受けられる可能性が高い。)
- 取得時講習を受けなければいけない。
中型免許が取得できる自動車教習所の一覧
中型自動車免許を取得できるおすすめの指定教習所は全国にたくさんあります。
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